今日はいい天気に恵まれ、台北散歩日和です。早速ですが、博学な何良正先生に萬華について紹介して頂きましょう。今からおよそ300年前、漢人がまだ来ていない頃、萬華には原住民が住んでいました。萬華は昔「バンカ」(艋舺)と呼ばれ、その地名の由来は、原住民が商売のために乗るカヌー(Mankah)の発音から来たという。
記事 - 艋舺‧龍山寺ツアー
台湾には龍山寺が五軒あり、台北の他に、鹿港、台南、鳳山などの所にもあります。萬華龍山寺は1740年に建てられ、今は二級史跡でありながら、大龍峒保安宮、台北行天宮と並んで台北三大廟と称されています。ここの風水は「美人穴」であった上に、台湾の民間信仰ではよく観音菩薩は女性だと思われ、龍山寺の前で池を作ったのは「美人照鏡」という風水の配慮だそうです。
台湾でお寺を参拝するときのマナーとして、右の竜門から入り、虎門を出るのが一般的なしきたりです。門の数は基本的に奇数であり、真ん中の門は皇帝、または神様が通る門なので、お祭りや特別な日でなければ開きません。お寺の中で龍の柱があるのは珍しくないが、萬華龍山寺の龍の柱は数少なく青銅で作ったものです。
続いて、何先生は研修生の皆さんに「擲筊」のやり方を紹介します。台湾ではおみくじを引く前に、二つの月の形をしている紅い木を投げることで、神様に許可をもらいます。この2つの木は陰と陽を表し、もし二つとも陰だったら神様が笑っている、二つとも陽だったら神様が怒っているという意味です。つまり、結果は「陰と陽」でなければ「だめ」です。
龍山寺の本殿には佛教の仏様がいます。真ん中が観音菩薩で、右側が文殊菩薩、左側が普賢菩薩です。後殿には様々な道教の神様がいます。龍山寺は「お寺」ということで佛教のお寺のはずだが、なぜ道教の神様もいるのでしょうか。何先生は、台湾の民間信仰で、佛教、道教、儒教が融合するのはよくあることだよ、と言いました。(補足知識:医者の神様・華佗もいますが、台湾で医者の神様は華陀ではなく、福建の移民が伝わってきた保生大帝です)
龍山寺を見学してから、私たちは青草巷にやってきます。昔医者さんがあまりいない時代に、病気になったらすぐ病院へ行けませんでした。そういう時に、昔の人々は漢方や色々な種類な青草で病気を治すので、こちら辺に青草店がたくさんあります。また、このあたりは黃啟瑞、周百鍊といった(元)台北市長が住んでいたため、「市長の町」とも呼ばれます。
文 / 史筱薇
写真:剝皮寮
写真:何良正先生がおみくじの引き方をご案内くださいました。
写真:龍山寺は、多数の神様がいますよ。
「剝皮寮」という地名の由来は、清朝の頃福建の商船が杉の木を萬華に運んできたあとに、こちら辺で木の皮を剥く作業することで「剝皮寮」と呼ばれました。萬華のヤクザ物語を描写した映画「艋舺」のロケ地として有名です。今は歴史街道区として保存され、赤レンガ造りのバロック式な建物が見られます。
入り口の近くにある臺北市郷土教育中心では、台北の歴史についてたくさん勉強できます。昔の教育制度をはじめ、科挙に受かった人たち、昔風の生活様態、老舗のエピソード、古い家の間取りや壁の飾りの種類、貿易の商品、近代医療をもたらした伝教師たちの物語、医術をさらに発展させた台湾の医者さんたちの伝記など、台北の歴史や文化を満喫できる場所です。歯医者出身で、医療の歴史に詳しい何先生は特別に私たちにマッケイ先生や萬華地元の名医呂阿昌先生の話を紹介して頂きました。天気がとても暑かったですが、研修生の皆さんはメモを取りながら真剣に聞いていました。短い2時間ですが、大変いい勉強になりまして、何先生ありがとうございました!!
写真:龍山寺の周辺に青草店がたくさんあります。